退職代行を使う前の僕は、「本当にこんな方法で会社を辞められるのか?」「怪しい業者だったらどうしよう」と、かなり不安でした。
それでも最終的には、自分で会社に「辞めます」と伝えることができなくなり、退職代行を使いました。
そしてその後、別の職場では同僚が退職代行を使って会社を辞める場面にも遭遇しています。
つまり僕は、退職代行を「使った側」と、退職代行を使われた職場に「残された側」の両方を経験しています。
この記事では、なぜ退職代行を使うことになったのか、実際にどう申し込んだのか、当日は何が起きたのか、会社から連絡は来たのか、私物や貸与品はどうなったのか、そして同僚が使ったとき職場はどうなったのかを、僕自身の体験だけで書いていきます。
退職代行をすすめたいわけではありません。ただ、「会社を辞めたい。でも、自分では退職を切り出せない」そんな状態になっている人に、こういう辞め方も実際にあるという一例として読んでもらえればと思います。
- 工場勤務の僕が退職代行を使うまで
- 実際の申し込みから退職までの流れ
- 退職代行を使った当日に起きたこと
- 会社との連絡や私物・貸与品がどうなったか
- 同僚が退職代行を使ったとき、職場側はどうなったか
- 使った側/残された側の両方を経験して感じたこと
僕が退職代行を使おうと思った理由
その会社には、経験者採用で入社しました。僕自身も工場勤務の経験があったので、会社側からすれば即戦力として期待されていた部分もあったのかもしれません。
ただ、実際に入社してみると、僕にとってはほとんど経験のない機械を扱う職場でした。
入社して1週間ほどの頃から、「今まで何をやってきたんだ」というような叱責を、毎日のように受けるようになりました。分からないことを聞いても怒られる。かといって、自分で判断して進めても怒られる。僕自身、だんだんどう動けばいいのか分からなくなっていました。
まともに教わっていない機械を一人で任された
そんなある日、まともな教育を受けていない状態で、「今日は一日、この加工を一人でやって」という形で仕事を任されました。ほぼ未経験の機械です。
それでも仕事なので、なんとか自分で機械を動かして加工してみました。しかし、うまくいかず部品を壊してしまいました。
もちろん、失敗したことへの罪悪感もありました。「自分がもっとできればよかったのかもしれない」という気持ちもありました。
ただ、それまで毎日のように叱責を受け続けていたことも重なり、この失敗をきっかけに自分の中で何かが切れてしまいました。
体調不良と伝えて早退した
その日は、「体調が悪いので早退させてください」と伝えて会社を出ました。
本当に体調を崩していたというより、もうその場にいることができなくなったという感覚の方が近かったです。
家に帰って風呂に入りました。浴槽につかったまま、下を向いていました。何かを考えるわけでもなく、ただ動けませんでした。
翌日も会社へ行ける状態ではなく、体調不良と伝えて仕事を休みました。

「もう限界だな」
当時の気持ちは、今でも鮮明に覚えています。
過去の退職経験も「自分で辞めるのが怖い」理由だった
実は、退職代行を使おうと思った理由は、その会社のことだけではありません。
それ以前に働いていた会社を辞める際、強い引き留めや罵声を受けた経験がありました。退職を申し出たあとも会社に行かなければならず、職場での視線も気まずかった。
僕の中では、「会社を辞めると伝える=またあの状況になるかもしれない」という怖さが残っていました。
だから今回、「自分で辞めますと言えばいい」と頭では分かっていても、実際にはその一言を言うことができませんでした。そこで思い出したのが、以前から検索していた退職代行でした。
退職代行を使う前は僕もかなり不安だった
退職代行というサービス自体は、以前から知っていました。ただ、最初はかなり半信半疑でした。
「本当に辞められるのか?」「お金を払って大丈夫なのか?」「怪しい業者だったらどうしよう」そんな気持ちがありました。
そのため、すぐに申し込んだわけではなく、以前からいくつかの退職代行サービスを調べていました。
そして仕事を休んだその日、「もう自分では会社に連絡できない」と思い、以前から調べていた退職代行業者へLINEを送りました。
実際に退職代行を使った流れ
僕が利用したときの大まかな流れは、かなりシンプルでした。
- LINEやメール、電話などで退職代行サービスに連絡します。
- 現在の状況や辞めたい理由、希望する退職日などを伝えます。
- 僕が利用したサービスでは、申し込み前に相談できました
- 希望する退職日や有給消化の有無などを伝えて打ち合わせます。
- 内容に納得したら、料金を支払い正式に依頼します。
- 僕が利用したときは、退職代行業者から会社へ連絡してもらい、退職の意思を伝えてもらいました。僕自身が会社と直接やり取りすることはありませんでした。
- 退職届の郵送や貸与品の返却などを郵送で行います。
- 離職票などの必要書類を受け取って退職が完了します
LINEを送るときは、「本当にこれでいいのか」という迷いはありました。ヒアリングでは本人の情報や会社の情報など、必要な内容を伝えていきました。料金を確認して支払いをすると、「本当に会社を辞めるんだな」という実感が少しずつ出てきました。
あとは、退職代行から会社へ連絡してもらう日を待つだけです。
手続き自体はシンプルでしたが、当日の自分の気持ちはまったくシンプルではありませんでした。
退職代行を使った当日、僕は部屋でうなだれていた
「本当にこれで会社を辞められるのか?」
そして迎えた当日。僕は部屋で椅子に座り、うなだれていました。
「これで本当に終わるのか」「会社から電話が来るんじゃないか」そんなことを考えていたと思います。
会社からの着信は、一度だけありました。僕は留守番電話を切っていたので、何の電話だったのかは分かりません。その電話には出ませんでした。
それ以外に、僕自身が会社と直接やり取りをすることはありませんでした。
退職代行から会社へ退職の意思が伝えられたと知ったときは、「終わったんだ」という感覚でした。あれだけ悩んでいたのに、実際に終わってみると想像していたよりもあっけなかった。
そして一番強く思ったのは、「もっと早く使えばよかった」ということでした。
もちろん、これは僕の場合です。退職代行を利用すれば誰でも同じ流れになるとは言えません。ただ少なくとも僕の場合は、頭の中で想像していたような大きな修羅場にはなりませんでした。
退職後、会社と直接やり取りすることはなかった
退職後、僕自身が会社と直接連絡を取ることは一切ありませんでした。
会社に残していた私物については、後から着払いで郵送されてきました。正直、大したものは置いていなかったので、「返ってこなくても仕方ないかな」くらいには思っていました。
会社から借りていた貸与品については、こちらから郵送で返却しました。
| 項目 | 僕の場合 |
|---|---|
| 会社からの着信 | 1回だけ、それ以降は有りませんでした。 |
| 会社との直接のやり取り | 退職後は無かったです。 |
| 私物 | 着払いで郵送されて来ました。 |
| 貸与品 | こちらから郵送で返却しました。 |
| 会社へ再び行ったか | 行かなかったです。 |
※これはあくまで僕が利用したときのケースです。会社や利用するサービスによって対応が同じとは限りません。
後に同僚も退職代行を使った|今度は僕が「残された側」になった
自分が退職代行を利用したあと、別の職場で働いていたときのことです。今度は僕の同僚が、退職代行を使って会社を辞めました。
ある日、いつも出社しているはずの同僚が仕事に来ませんでした。最初は、「体調不良かな」くらいに思っていました。
ところが、その後、「退職代行から会社に連絡が来たらしい」という話を聞きました。
僕自身も退職代行を使った経験があったので、今度は逆に、「退職代行を使われた会社側はどうなるんだろう」という立場で見ることになりました。
職場では人員配置の調整が行われた
突然一人いなくなったので、当然その人が担当していた仕事は残ります。上司は人員配置を調整し、周囲の人たちで仕事を分担していました。
僕が見た限りでは、怒鳴り声が飛び交うような修羅場にはなりませんでした。突然のことなので驚いている人はいました。多少の話題にもなりました。ただ、その後は人員を調整しながら仕事が続いていきました。そして時間が経つと、職場はまたいつものように動いていました。
私物と一緒に、同僚が貸していたゲームソフトも返ってきた
その後、退職した同僚の私物が会社に送られてきました。その荷物の中に、以前僕がその同僚に貸していたゲームソフトまで入っていました。
正直、僕自身が貸していたことを忘れかけていたくらいです。それでもきちんと返してくれた。退職代行で突然辞めたとはいえ、そういうところは律儀な人だったんだなと思ったのを覚えています。
僕にとっては、このゲームソフトの出来事が妙に印象に残っています。
「使った側」と「残された側」の両方を経験して思うこと
自分が退職代行を使ったときは、会社がどう思うのかがとにかく怖かったです。「怒っているんじゃないか」「周りに迷惑をかけるんじゃないか」「とんでもないことをしているんじゃないか」そんなことを考えていました。
でもその後、自分が逆の立場になり、同僚が退職代行を使った職場を見ました。僕が見た職場では、突然の退職に驚きはしたものの、人員を調整し、その後も仕事は続いていきました。
| 項目 | 自分が使ったとき | 同僚が使ったとき |
|---|---|---|
| 最初に感じたこと | 会社の反応、同僚の反応が怖かったです。 | 突然来なくなり、 同僚たちは、少し驚いていました。 |
| 職場とのやり取り | 自分から直接やり取りなし、 退職代行業者が全て行ってくれました。 | 退職代行業者と上司、事務方が対応 していました。 |
| その後 | 私物郵送・貸与品返却、 連絡もしていません。 | 人員配置を調整、特に変わらず、 噂も、2日程でなくなりました。 |
| 実際の職場 | 自分には見えなかった、 出勤していないので分かりませんでした。 | その後も仕事は続いた 特に問題無く現場は動いていました。 |
もちろん、どこの会社でも同じ反応になるとは言えません。職場や上司、人員状況によっても違うと思います。
ただ少なくとも、僕自身が退職代行を使ったときと、同僚が使った職場を見たときの2回については、僕が最初に想像していたような大きな修羅場にはなりませんでした。この経験があるので、今は退職代行に対する見方も少し変わっています。
退職代行を使ったことは次の転職先にバレる?
僕自身、退職代行を使ったあとに転職活動をしています。
そのとき気になるのが、「退職代行を使ったことが次の会社に知られるんじゃないか?」ということだと思います。
履歴書や職務経歴書、源泉徴収票、雇用保険などから退職代行の利用が分かるのか。前の会社から転職先へ伝わる可能性はあるのか。
このあたりは長くなるので、僕自身の転職経験とあわせて別の記事にまとめました。
👇退職代行を使ったあとの転職が心配な人はこちらを読んでみてください。


退職代行は誰にでも必要なサービスだとは思わない
僕自身は退職代行を使って助かりました。だからといって、会社を辞めたい人は全員退職代行を使った方がいいとは思っていません。
自分で上司に退職を伝えられる。会社とも普通に話し合える。そういう状況なら、自分で退職手続きを進めればいいと思います。僕も本当はそうしたかったです。
ただ僕の場合は、過去の退職時の引き留めや罵声への怖さ。新しい会社で続いていた叱責。そして部品を壊してしまった日の罪悪感。いろいろなものが重なって、「辞めます」の一言を自分で伝えられないところまで来ていました。
そんなとき、退職代行という方法があったことで会社を離れることができました。
だから僕にとって退職代行は、「楽をして辞める方法」というより、自分一人では退職を切り出せなくなったときの一つの手段でした。
退職代行を使うなら、サービス選びも確認しておきたい
僕自身、退職代行を使う前には「本当に辞められるのか?」だけでなく、「どこに頼めばいいんだろう」という不安もありました。
退職代行といっても、料金だけでなく、運営元や対応できる範囲などに違いがあります。
僕が実際に退職代行を使った経験も踏まえて、工場勤務・夜勤の人が比較しやすいように3社をまとめました。
「どこを選べばいいか分からない」という人はこちらで比較しています。
👇【退職代行おすすめ3社比較記事・ブログカード】


夜勤脱出のためにも「辞める方法」を知っておくことは無駄ではない
このブログでは「夜勤脱出」をテーマにしています。ただ僕自身、家族もいるので、「夜勤がつらいから、とりあえず仕事を辞めよう」とは考えていません。
仕事を辞めれば収入も変わります。次の仕事も考えなければいけません。だから、できるなら在職中に次の選択肢を準備しておく方がいいと思っています。
退職代行は「辞めるための手段」ですが、辞めた後の仕事まで決めてくれるわけではありません。
僕自身、これまで5社で働いてきて、現在の会社への転職では転職サービスも利用しました。
👇工場勤務の僕が転職エージェント3社を使ってみた|ハローワークとの違いも本音レビュー


退職と転職は別の話です。勢いだけで辞めるのではなく、できるなら次の生活まで考えながら動いた方がいい。何度も転職してきた今は、そう思っています。
まとめ|僕にとって退職代行は「辞められない状態」から抜けるための手段だった
僕は実際に退職代行を使って会社を辞めました。その後、別の会社では同僚が退職代行を使って辞める場面も経験しました。
使う前は、「会社はどうなるんだろう」「怒られるんじゃないか」「大変なことになるんじゃないか」と、かなり不安でした。
でも少なくとも僕自身の経験では、想像していたような大きな修羅場にはなりませんでした。そして残された側として見た職場でも、人員配置を調整しながらその後も仕事は続いていました。
だからといって、退職代行を気軽に使えばいいとは思っていません。自分で普通に退職を伝えられるなら、それでいいと思います。
でも、過去の経験が怖い。上司に言い出せない。退職を伝えること自体が大きな負担になっている。そんな状態なら、退職代行という選択肢を知っておくことは無駄ではないと思います。
僕自身、浴槽につかったまま下を向いて動けなくなったあの日、「もう限界だ」と思いました。あのとき退職代行という選択肢を知っていたから、会社を離れることができました。
今振り返っても、僕にとって退職代行は、辞められない状態から抜けるために使った、一つの手段だったと思っています。
👇実際に僕が利用した退職代行です










